5枚目の国際アルバム: DETOX

収録曲
- 1.NASTY3:23
- 2.Dystopia3:09
- 3.Tropical Therapy3:28
- 4.Delusion:All3:04
- 5.Party's Over2:58
- 6.Puppets Can't Control You3:14
- 7.Tiny Pieces3:34
- 8.This Can't Be Us4:17
- 9.+Matter3:52
- 10.C.U.R.I.O.S.I.T.Y. (feat. Paledusk and CHICO CARLITO)3:08
- 11.The Pilot </33:51
シングル
- 1.Delusion:All発売日: 2024年7月12日
- 2.Dystopia発売日: 2024年10月25日
- 3.+Matter発売日: 2024年12月6日
- 4.Puppets Can't Control You発売日: 2025年1月19日
- 5.Tropical Therapy発売日: 2025年2月21日
- 説明
- クレジット
- 楽曲クレジット
DETOXは、ONE OK ROCKにとって11作目のスタジオ・アルバムであり、2025年2月21日に全世界同時リリースされた。結成20周年という節目に位置付けられた本作は、Luxury Diseaseの単なる延長線上ではなく、意図的なリセットとして構想されている。世界が不安定さを増す中で、緊張感、切迫感、そして明確さを取り戻す必要性を軸に据えたロック志向の作品であり、全11曲を通して、単発的なシングルの集合ではなく、メッセージ性と一貫性を重視したコンセプト主導のアルバムとなっている。
DETOXを特徴づける重要な要素の一つが、その制作プロセスである。Takaは、アルバム制作に先立ち、テーマや方向性を詳細にまとめた30〜40ページに及ぶコンセプトブックを作成し、それを制作陣と共有した上で本格的な作詞・作曲・レコーディングに入ったと語っている。この手法は作品全体の構造に明確に反映されており、本作は単純に「激しさ」と「静けさ」を対比させるのではなく、導かれるような一つの流れとして展開する。NASTY、Puppets Can't Control You、Delusion:Allといった楽曲では、率直な対立や苛立ちが前面に出る一方、Dystopiaや+Matterでは、その圧力を内面へと向け、耐え抜くことの意味や、追い詰められた状況下でも人と人がつながれるのかという問いが描かれる。言葉遣いが鋭い場面においても、その姿勢は社会の「消去」ではなく、変化と再構築に重きを置いている点が重要である。
音楽的には、DETOXはより硬質なロックの核へと回帰しつつ、近年の国際的な活動を通じて培われた現代的かつグローバル志向のプロダクションを維持している。Rob Cavallo、Dan Lancaster、Pete Nappiらを含む実力派プロダクション陣が名を連ね、コラボレーションも話題性ではなく音楽的質感として慎重に用いられている。その代表例が、PaleduskおよびCHICO CARLITOを迎えたC.U.R.I.O.S.I.T.Y.である。国内盤と海外盤は同一のトラックリストを採用しており、海外盤では一部歌詞に差異が見られる。
商業的にも本作は好調なスタートを切り、日本ではオリコン週間アルバムランキングで2位、オリコン・ジャパニーズロックアルバムランキングで1位を記録し、Billboard Japan Hot Albumsでも2位に到達した。海外においてもイギリスを中心にチャートインを果たし、Official Rock & Metal Albums Chartでトップ10、Album Downloads Chartでトップ40入りを記録している。評価の軸となったのは、本作が持つ明確な問題提起性であり、洗練されたサウンドの裏側に、先行するポップ志向の時代よりも重い感情的・社会的テーマが込められている点が、「新作」という以上に「意味のある作品」として受け止められた理由となった。
ビジュアル面においても、DETOXはそのメッセージを拡張している。ジャケットにはONE OK ROCK PREMONITION WORLD TOUR 2024で撮影された観客の写真が使用され、リスナー自身が作品の中心に据えられていることを象徴している。また、歪み溶けるように描かれた旗のモチーフは、特定の政治的象徴というよりも、緊張と負荷にさらされた世界の状態を示す抽象的な記号として機能している。タイトルと合わせて、本作が示す「DETOX」とは破壊ではなく、蓄積された圧力や孤立を解放し、再びつながりと再生へ向かう過程であることが強調されている。
総じてDETOXは、ONE OK ROCKの現行フェーズを象徴するミッション・ステートメント的アルバムと位置付けられる。今この瞬間に意味を持つことを強く意識して書かれた、明確なコンセプトを備えたロック作品である。そしてスタジオ音源が設計図だとすれば、その思想が完全に結実するのはライブの場である。実際の公演では、各楽曲が独立した存在というより、一つの物語として緊張、解放、再結束を描き出し、ONE OK ROCKが長年語ってきた通り、この音楽が「同じ空間で、共に体験されて完成する」ものであることを強く印象付けている。
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- 1.Music Awards Japan最優秀クロスボーダー・コラボレーション楽曲賞2025年5月22日
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